合資会社・合名会社ともに古い法人形態ですが、立派な会社法人です。
そのメリットゆえか最近の起業ブームでにわかに増えたようです。
■合資会社・合名会社ってなに?
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合資会社・合名会社の最大の違いは出資者の責任範囲です。
合資会社は代表者だけに代表権と無限責任があるのに対し、合名会社は出資者全員に代表権と無限責任があることです。
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(→ 法人形態の比較) |
■合資会社・合名会社設立のメリット
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合資会社・合名会社は、非常に設立しやすい会社形態ですが、合資会社・合名会社のメリットは何でしょうか? |
【合資会社・合名会社設立のメリット】
資本金1円で設立できる
設立手続きがカンタン
取締役・監査役がいらない
運営がラク
会社法人のメリットはあなたのものになる
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●「資本金“1円”で設立できる
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合資会社・合名会社は資本金“1円”から設立できます。
これから独立開業する起業家やSOHO事業者にとっては、たいへん嬉しいメリットです。
中小企業挑戦支援法を利用すれば、株式会社や有限会社も資本金1円で出来ますが、中小企業挑戦支援法はそのメリットに比べ、手続き上・金銭上の問題が多すぎます。
賢明なあなたが利用すべきではないでしょう。 |
→ 中小企業挑戦支援法の問題点は? |
●手続きがカンタン
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合資会社・合名会社ともに、とにかく設立手続きが簡単というメリットがあります。
特に合資会社は、法人設立の中で最も手続きが簡単だと言われています。
また、合資会社・合名会社の設立が資本金1円で出来る、ということは「銀行の出資保管証明書(の手続きと発行費用)も不要」ということです。
株式会社設立や有限会社設立のように公証人役場で定款の認証をする必要もありません。
この定款認証費用も10万円ぐらいはかかりますので、合資会社・合名会社の設立は手続きが簡単なだけではなく、株式会社・有限会社の設立に比べ費用もやすくなるという大きなメリットがあります。 |
●取締役・監査役がいらない
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合資・合名会社には、設立人数のメリットもあります。
有限会社は1人から設立できますが、株式会社には取締役3名以上、監査役1名以上というやっかいな決まりがあるのです。
しかし、合資会社・合名会社の設立は、構成社員が2人いれば出来てしまいます。
あなたがSOHOなどを行うのであれば、この人数の問題は合資会社・合名会社設立の特に大きなメリットかも知れません。 |
●運営がラク
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必要人数のメリットとも関連しますが、合資会社・合名会社は役員会を開いたり、株主総会なども行う必要がありません。
合資会社・合名会社は設立手続きが簡単なだけでなく「運営もラク」なのです。
これも、SOHO事業者などには非常に大きなメリットでしょう。 |
●会社法人のメリットはあなたのものになる
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資本金1円、手続きも簡単、運営もラクという合資会社・合名会社ですが、合資会社・合名会社とも、法人であることには変わりありません。
勉強熱心なあなたに法人設立のメリットを改めてお話しする必要はないかもしれませんが、合資会社・合名会社も立派な会社です。
「節税メリット」「営業面での信頼性」「契約上の優位性」など、個人事業では得られない法人のメリットはあなたのものになります。 |
→ 会社法人の節税メリットとは? |
以上が合資会社設立・合名会社設立のメリットです。
合資会社・合名会社設立のメリットを考えると、あなたはこう思われるかも知れません。
「よし、さっそく合資・合名会社を設立しよう」
でも チョット待った!!
あなたは「資本金1円」「設立手続きが容易」といった、合資会社・合名会社のメリット“だけ”に目を奪われていないでしょうか?
合資会社・合名会社の“設立”は簡単ですが、実はすべての法人形態の中で合資会社・合名会社ほど「危険な法人形態」はありません。
メリットだけでなく、合資・合名会社の問題点と解決策をしっかり把握していないと、優秀なあなたの実力を充分に発揮できないばかりか、あなたの人生を奈落の底に突き落とす危険まではらんでいるのです。
さて、会社の設立も大切ですが・・・ |