フランチャイズ加盟の一連の流れのあと、いよいよあなたのフランチャイズ加盟店を開業することになります。
さて、フランチャイズ加盟で開業した場合、あなたのフランチャイズ店がどのくらい儲かるのか?、実際あなたの収入はいくらぐらいになるのか?
フランチャイズ加盟チェーンの“代表格”ともいえるコンビニエンスストアを例に、具体的な数字でフランチャイズ加盟後にあなたが“儲かる”までをシミュレーションしてみましょう。
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まず、大切なのはフランチャイズ店の「粗利」です。
「粗利とは何ぞや?」
ここでは、細かい要素は考慮せず、単純にフランチャイズ店の
「売上高」から「商品の仕入高」を引いたもの。
これだけをあなたのフランチャイズ店の「儲け=粗利」として考えましょう。
あなたのお店を通常規模のフランチャイズ店舗と考えて、毎月コンスタントに「1500万円」の売上が上がったとしましょう。
フランチャイズ加盟店の仕入率は“70%程度”と見るのが妥当な線でしょう。 |
売上 - 仕入(70%)= お店の粗利(売上の30%) |
これに具体的な数字を当てはめると・・・ |
1500万円(売上) − 1050万円(仕入) = 450万円
→ あなたのお店の粗利 = 450万円 |
ここで出た「お店の粗利」(450万円)の中から、あなたはフランチャイズ本部へ毎月のロイヤリティーを支払うわけです。
そこから経費を引いた「残り」が、「あなたのフランチャイズ店の儲け」ということになります。
つまり、 |
お店の粗利 − (ロイヤリティ+経費) = あなたの収入 |
というわけです。
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ここであなたには、フランチャイズ加盟店としての疑問が湧くと思います。
「で? フランチャイズ本部へのロイヤリティ−は“儲け”からどのくらい取られるの?」
という問題です。
フランチャイズチェーンのロイヤリティーの“決め方”には、さまざまな種類があります。 |
・粗利分配方式 =お店の儲け × ○%
・売上歩合方式 =お店の売上 × ○%
・定額方式 =毎月同じお金を払う |
(フランチャイズチェーンのロイヤリティー ← ココをクリック!) |
フランチャイズ本部に支払うロイヤリティーがどの方式で、どれぐらいの金額、どのくらいの率なのか?
・フランチャイズの“業界”(外食産業・コンビニ・カー用品など)
・FCチェーン“会社”
・フランチャイズ本部が用意している“プラン”(加盟金・契約内容など)
・・・によって実はバラバラです。
ここでは、フランチャイズチェーン(特にコンビニエンスストア)で最も多い「粗利分配方式」(=あなたのお店の「儲け(粗利益)」にロイヤリティーがかかる方式)で、計算してみましょう。
フランチャイズ業界(コンビニ業界)全体で見た「粗利分配方式」のロイヤリティーは 「粗利×40%〜70%」程度とみていいでしょう。
ここではまあ、常識的な範囲で“中間よりちょっと下”としておきましょう。
あなたがフランチャイズ本部へ支払うロイヤリティーを「粗利の50%」とします。 |
ロイヤリティー = お店の粗利 × 50% |
さて、先ほどの計算ではあなたのフランチャイズ店の粗利は「450万円」でした。 |
450万円 × 50% = 225万円 |
つまり、「225万円」をフランチャイズ本部へ支払うことになります。
先ほど出てきた、
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お店の粗利 − (ロイヤリティ+経費) = あなたの収入 |
これに当てはめてみると |
450万円 − (225万円 + 経費) = あなたの収入 |
残り225万円の中から経費をさし引くと、「あなたの収入」になります。 |
225万円 − 経費 = あなたの収入 |
さて、
「この225万円のうち経費が“いくら”かかるの?」
という問題です。
計算してみましょう。
まず、「経費」を固定費と変動費に分けて考えてみます。 |
経費 = 固定費 + 変動費 |
「固定費はいくらか?」ですが、
通常規模(売上1500万円規模)のフランチャイズ店舗(コンビニや外食産業のお店)を運営すれば、電気・ガス・水道のほかに清掃代などで、最低でも40万円程度。
実際には、他にもかかってくる固定費はあるでしょう。
とりあえず、あなたが頑張ってあなたのフランチャイズ店では固定費を最低限に切り詰めたとしましょう。
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経費 = 40万円(固定費) + 変動費
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「じゃあ、変動費は?」
まず、食品などは“必ず”廃棄ロスが出ます。
(食品じゃなくても、例えばエステ用品などを扱っても廃棄ロスは出ます)
万引きなど、原因不明(?)の棚卸しロスもあるでしょう。
これらを合わせると、やはり最低でも40万円ぐらいは出ていくと思っていいでしょう。
(クルマ本体など万引きや棚卸ロスが出にくいものはもっと安く済むかもしれません)
あとはフランチャイズ店の人件費です。
例えば、あなたが夫婦交代でみっちり働いたとしましょう。
それでも、
「夫婦ともまったく休みなし」というのは無理です。
「お客の稼働率ゼロ」ということもあり得ないわけです。(あっちゃ困ります)
すると、営業時間中(24時間営業で)アルバイトを最低でも1人雇うことになります。
昼間の時給が700円。夜間の時給が900円とすると、平均で、時給800円です。
時給800円のアルバイトが24時間、1ヶ月30日間、アルバイトを雇います。 |
800円×24時間×30日=576,000円 |
毎月、576,000円の人件費がかかるわけです。
ところがこれは、アルバイトを1人だけしか雇わなかった場合です。
フランチャイズチェーンに加盟したあなたのお店がまともに営業していて、アルバイト1人で回せることは考えにくいでしょう。
常識で考えて、もしアルバイト1人だけでまわしていけるのであれば、よほどヒマなお店ということです。 |
ヒマ(=お客さんが来ない) ⇒ 売上も少ない ⇒ つぶれる |
・・・と、こうなります。
月間売上が1500万円規模のフランチャイズ店なら、現実的には夫婦交代でどう頑張っても、最低2人のアルバイトが必要でしょう。
そうすると、・・・ |
毎月の人件費 = 576,000円×2人 = 1,152,000円 |
便宜上、端数の2000円は切り捨てましょう。
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毎月の人件費=約115万円 |
となります。
ちなみに、これはアルバイトの交通費がゼロの場合です。
場合によっては、さらに交通費が加算されます。
さて、これで経費の総額が出ました。
先ほどの |
経費 = 固定費 + 変動費 |
これに当てはめてみましょう。
経費 = 固定費(40万円) + 変動費(40万円+115万円)
経費合計 = 195万円
となります。
予断ですが、フランチャイズ店に限らず、アルバイトはサボるもの。
(あなたのアルバイト経験でも心当たりがあるのでは?)
まじめな人が来てくれればいいでしょうが、あなたが見ていないところではサボっていることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
店の商品をかっぱらう可能性もあります。かなりしっかりとしたアルバイト管理が必要になります。
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・・・さて、
あなたの収入がいくらになるかまとめてみましょう。
これまでに、あなたの収入を考えるために、いくつかの計算式がありました。 |
あなたの収入 = お店の粗利 − (ロイヤリティ+経費) |
それぞれの項目は、 |
お店の粗利 = 売上 - 仕入
ロイヤリティー = お店の粗利×40%
経費 = 固定費 + 変動費 |
ということでした。
要するに全部まとめると、 |
1500万円(お店の売上)
− 1050万円(仕入)
− 225万円(ロイヤリティー)
− 195万円(経費)
⇒ フランチャイズ加盟したあなたの儲け |
となります。
つまり、最終的な「あなたの儲け=収入」は、 |
30万円/月
年収は約360万円 |
この数字を「フランチャイズ加盟は儲かる」と見るか「フランチャイズ加盟は儲からない」と見るか?
それはあなたのご判断にお任せします。
ただし、このフランチャイズ加盟シミュレーションで気をつけなければならないポイントは3つあります。
1.この年収は、夫婦ふたりでみっちり働いたことを想定していること。
あなた1人でフランチャイズ店を始めた場合には、もっともっとシビアな計算になると予想されます。
2、売り上げの問題
日商50万円で計算していますが、実際に毎日毎日50万円の売上を確保できるかどうか?
バイトの人数を増やす必要もあるでしょうし、バイトの管理も大変です。
3、フランチャイズ本部「ロイヤリティー」とフランチャイズ店の「経費」の問題
フランチャイズ本部には年間2700万円のロイヤリティーを支払うものとして計算しています。
しかし契約時のロイヤリティー、経費などは、実際にはもっと厳しくなる可能性もあります。
あなたがフランチャイズの加盟される際は、このフランチャイズシミュレーションとフランチャイズ加盟のメリット・デメリットをしっかり抑えることが大切でしょう。 |